第十回〜茶杓の清め方
今回は茶杓の清め方について、解説していきます。ちなみに茶杓といっても、一般的な中節茶杓や、手前側に節がある元節茶杓、節が何個もあるものや象牙で出来たものなど数多くあります。
まず初めは中節のもので練習を重ねていきましょう。棗や茶碗と違い、茶杓は初めはほとんどが中節を使われます。おそらく季節によっての違いが少ないことが理由の一つなのではないでしょうか。(茶杓は点前によって変わってくることが多いです)
それでは早速茶杓の清め方、
いってみましょう😊
1.清め方
四角い状態の袱紗の上に茶杓を乗せます。この時右手で茶杓、左手の平に袱紗を置きましょう。そこで袱紗で茶杓を握りこむようにして挟みます。そこから袱紗を、奥に一回、手前に一回という風に全体を清めるために動かします。回数としては行って戻って行って戻って行って抜き去る、という風に五回動きます。
動きとしては以上になりますが、茶杓を清めることは動きが単純な代わりに、注意する点が少し細かくなっていきます。
2.注意点
注意点も何点かありますので順に説明しますね。
①茶杓の櫂先(かいさき)を上に向かない
茶杓には櫂先と呼ばれる、茶をすくう部分があります。先端のことですね。ここを茶杓を持っている部分よりも横から見て上に持ってこないという注意があります。
なお、これは清める場合だけではなく、茶杓の扱い全般に言えることです。
僕は単純に先が上がっていると格好悪いからだと覚えていましたが、茶杓の正しい位置を自然に持つと、先の方が下がるようになっています。おそらく自然に道具を扱うべし、ということなのだと思います。
②緩急をつけること
茶道をしていくなかで、いずれ壁になってくるものとして、緩急が挙げられます。実際に、僕の所属していた部活でも、ある程度出来るようになった者に対して先生はいつも、緩急を意識して点前に励むように、とおっしゃっていました。
具体的には、茶杓を清める時は奥に深さが行くときはゆっくりと、手前に持ってくるときはサッと持ってくることを教わります。これは茶杓を清めているのは奥に行く時だけで、手前に戻すことは、あくまで清める準備として戻しているだけに過ぎないということからだと教わっています。
これに関してはどうなのでしょう、教える人によってまちまちかもしれませんので、確認していただければと思います。
③強く握りすぎない
いくら茶杓を清めるといっても、力を入れすぎて擦り付けるようにしては、茶杓も傷んでしまいます。茶杓は竹でできていることが多いので、意外と力を加えるとすぐに折れてしまいます。
ですのであくまでフワッと包み込むように。流れるように清めることが大切です。
上記のように茶杓一つ清めるにしても、大切なことを意識しながら行うことが、上達への近道です。是非、流れる川のように茶杓を清めてあげれたらと思います😊